歯周病について
常盤:歯ぐきが痛いのは、どういう病気でしょうか?
院長:ほとんどの場合が歯周病です。
歯周病は、歯ぐきが痛い、歯が浮く(グラグラする)、硬いものが噛みづらい、歯ぐきが腫れる、歯ぐきから血が出るなどの症状がでますが、これらの自覚症状が出たときにはすでに進行しています。歯周病の7~8割は自覚症状がないと言われ、外から見ても分かりにくい病気です。
常盤:では、歯周病治療の流れを教えて下さい。
院長:はじめに歯周病検査を行います。プローブ(検査器具)やレントゲンで歯ぐきの腫れ具合や状態を確認し、歯周病の程度を確認するのです。そしてまず初期治療として、古く固くなった歯石を取り除くお掃除をします。
それから、揺れの強い歯は隣の健康な歯に樹脂で縛り付けて固定し、後日再検査をします。悪化していたり、治りづらいと判断した場合は歯茎の外科手術を行います。また、噛み合わせのバランスが悪い人は噛み合わせの調整もしますよ。
常盤:歯周病の原因はなんですか?
院長:食べ物の磨き残しであるプラーク(歯垢)や食生活、ブラッシングの仕方など、生活習慣からくる病気です。厚生労働省の検査では、中学生のおよそ半数には歯肉炎があると言われています。
歯肉炎とは歯周病の初期の病気なんですよ。
常盤:歯周病というのは中高年の方の病気のイメージだったのですが、そんな若い人もかかる病気なんですね。
院長:そうです。ただ歯周病とは元々歯を支える骨が溶ける病気なので、骨を作る力が弱くなる20歳過ぎから、どんどん進行していきます。ですから大人の病気というイメージが強いのです。
常盤:重度の歯周病になるとどうなるのですか?
院長:出血や膿がひどくなり、歯を支える骨の破壊も進み、最終的には歯が抜けてしまいます。さらには脳卒中や肺炎、心筋梗塞、早産など、歯周病が原因ともなり得る重大な全身疾患もあるので、安易に軽い歯ぐきの病気だと甘く見てはいけません。
常盤:そんなに恐い病気だったんですね。その怖い病気を予防するにはどうすれば良いですか?
院長:歯周病菌や虫歯菌が集まったプラーク(歯垢)のコントロールをするため、毎日のセルフケア(効果的なブラッシング)と定期的なプロフェッショナルケア(歯石除去や歯周病検査)などが必要になります。
また、一度歯周病治療を行ったとしても骨が増えていくことはありませんので、その後のメンテナンスが大事です。歯周病は慢性疾患だということを頭にいれ、現状維持に努めることが大切なんですよ。
常盤:正しいブラッシングと、専門的なケアが必要なのですね。歯石除去や検査にはどれくらいの期間で歯科医院へ通うのが理想的ですか?
院長:歯ぐきが腫れるなどの症状がなければ半年~1年に1度、治療後の経過観察中の人は1ヶ月に1度は通院して下さい。
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